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<つぶてソングの集い in 杉並>

ご報告(決算報告を含む)

東日本大震災から十ケ月の月日が流れました。被災地は再び寒さの厳しい季節を迎え、その地で暮らす方々のお体が案じられます。復興に向けての力強い姿も報道されておりますが、一方でまだ日常生活すらままならない方々がたくさんいらっしゃるという事実も否めなせん。

去る10月2日の<つぶてソングの集い in 杉並>は、参加者の心のこもった歌声とともに温かな支援の集いを実現することができました。和合亮一氏による詩の朗読は、私たちの胸につきささるように響きました。その言葉に寄り添う新実氏のメロディは、切なくなる悲しさと、限りなく優しい響きとなって会場を包みました。
お二人が目を真っ赤にして語り、指揮をなさっていた姿が、今も忘れられません。和合さんがお書きになった強く悲しい言葉を、被災地ではない人たちがどんな気持ちで歌えばよいのか、歌うことができるのか‥‥。どんなに心に問うてみても答えが見つからず戸惑いがあります。そんな中で、ある参加者の言葉にハッとさせられ、救われる思いがしました。
「つぶてソングの集いに参加して、知識としてではなく初めて心に染み入るように、福島のことを想うことができました」‥‥今回の震災を風化させないように、被災地の方々の言葉に耳を傾け、音楽の力を信じて、私たちのできる支援活動を模索し続けていきたいと考えています。

たいへん遅くなりましたが、10/ 2<つぶてソングの集い>の収支決算をご報告申し上げます。
支出として開催のための経費(会場費/印刷費/通信費/記録費 他)は、合計 809,056円 でした。それに対してチケット販売 507,000円、そして187,234円 の募金を頂き、合計 694,234円 の収入となりました。
支出と収入のバランスは 114,822円 のマイナスとなりましたが「つぶてソングの集い」プロジェクトによる補填金40万円を加え、最終的に寄付金は 285,178円 となりました。この寄付金は、被災地にエールを送り、また音楽教育に資することを願って 3月30日、31日に福島・郡山で開催予定の<つぶてソングの集い in ふくしま>、及び現地での新実徳英先生による合唱セミナーの実施経費の一部に使わせて頂くことになりました。ここにご報告させて頂くとともに、杉並の集いご参加、募金にご協力くださいました皆様に、心より御礼を申し上げます。
つぶてソングのプロジェクト専用HPがまだ立ち上がっていないことをご了承頂きたくお詫び申し上げます。
(つぶてソングのプロジェクト運営委員 一同 2012. 1. 20)


【日時】
  2011年10月2日(日)19 : 00開演
【場所】
  杉並公会堂 大ホール
【参加費】
  一般:2,000円 / 学生:1,000円 ‥‥700名・先着順

Special News !
 当日、詩人・和合亮一氏がご出演くださることになりました。
 和合氏ご自身の、心からの「詩のつぶて」を聴かせて頂けることと思います。

 松原混声合唱団、吉祥女子中学・高等学校合唱部の賛助出演もございます。

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【後援】
  杉並区
【Program】
  つぶてソング 作詞:和合亮一、作曲:新実徳英
  曲目 vol.1‥あなたはどこに、フルサト、放射能
     vol.2‥燃えあがろう、許せるかあなたは、誰もいない福島


活動の趣旨

3月11日の東日本大震災は、まさに未曾有の大惨事であり、私たち日本人の日々の生活や人生観に至るまで、大きく変化させるものとなった。生活に必要な物資、住居などの支援が必須なことであることは言うまでもないが、真の復興にとっては人々の心が元気になって立ち直ることへの長期的な支援が求められているのではないだろうか。
新実徳英氏(プロフィール別紙)は日本を代表する作曲家であり、オーケストラ作品やオペラの他、数多くの合唱曲が世代を超えて親しまれ歌われている。新実氏は震災直後から復興支援について「いつか音楽家の出番があるでしょう。そのときは最善を尽くしましょう。」と話されていた。そして予てより親交のあった詩人・和合亮一氏(プロフィール別紙)がツィッターを通して書き続けている「詩の礫」に心を動かされ<つぶてソング>の作曲活動を開始された。
和合氏は「怒りや悲しみをもつと詩に宿さないと今の日本人が抱える感情の本質を見出せない。しかし言葉にできるのは未来を一緒に歩こうということである」と語っている。この思いから書かれた詩が<つぶてソング>となった歌は、決して単なる応援ソングとは言えない。和合氏の言葉は強く悲しく、そして深いものであり、それを受けとめた新実氏の音楽は限りなく優しく美しく、人々の心に響く。
<つぶてソングの集い>では新実氏の指揮のもと、参加者が声を合わせて歌うことを通して、人間の心の深遠の思いを共有し共感し合い、震災や原発問題で傷ついた東日本にエールを送りたいと考える。この集いの企画・運営は、杉並で子ども時代を過ごした仲間たちを中心としたメンバーが行っていることから<つぶてソングの集い in 杉並>としてスタートした。

つぶてソングの歌声を通して、被災地支援の心を届けたいと思っている方、是非ご参加下さい。プロ・アマ、合唱経験の有無は問いません。当日は、新実先生のご指導により参加者全員で歌います。事前練習の必要はありません。


今後、この歌の集いが福島をはじめ、全国に広がることをめざしたい。また当日の参加費の一部、及び募金による収益は、被災地の音楽教育や活動支援のための義援金として使う予定である。

楽譜について

・当日、メロディ/歌詞付きの楽譜を配付します。(終演後は回収します)
・ご希望の方には、伴奏付き楽譜を販売します。第1巻、第2巻とも 各300円。
・前もって購入希望の方は、ネット販売をご利用下さい。
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プロフィール

新実 徳英(にいみ・とくひで)
東京大学工学部卒業。東京芸術大学作曲科卒業、同大学院研究科修了。77年第8回ジュネーヴ国際バレエ音楽作曲コンクールでグランプリ受賞。82年文化庁舞台芸術創作奨励賞受賞。03年別宮賞受賞。06年オペラ『白鳥』で佐川吉男音楽賞受賞。07年協奏的交響曲で尾高賞受賞。主な著書『風を聴く 音を聴く』(音楽之友社、2003)、『うたの不思議ー白いうた青いうたの秘密ー』(音楽之友社、2009)、『新実徳英の作曲入門』(音楽之友社、2010)。現在、桐朋学園大学大学院大学教授。桐朋学園短期大学講師。東京音楽大学客員教授。

和合 亮一(わごう・りょういち)
1968年福島県生まれ。1999年第一詩集「AFTER」で第4回中原中也賞受賞。2006年第四詩集「地球頭脳詩編」で第47回晩翠賞受賞。詩集に「RAINBOW」「誕生」「入道雲入道雲入道雲」「黄金少年」などの詩集のほか、「パパの子育て奮戦記」「にほんごの本」(谷川俊太郎との共著)。ラジオ福島で「詩人のラヂオ 和合亮一のアクションポエジィー」のパーソナリティを務める。詩誌「ウルトラ」、カイト「イいんあうと」を中心とした「ゼロネンダイプロジェクト」代表。「六本木詩人会」主宰。現在、福島県立保原高等学校・国語科教諭。ツイッターアカウントは「@wago2828」。

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運営委員 代表
浜中 康子(はまなか・やすこ)
東京都杉並区出身。桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業。東京藝術大学大学院音楽研究科修了。ピアノを中山靖子氏に師事。故W. ヒルトン、E. カンピアヌ両氏のもとでバロックダンスを学ぶ。ピアノ演奏活動とともにバロックダンスの研究、公演活動をすすめ、97年よりT.ベアード、P.ウィットリー=ボーゲスを招聘し、紀尾井ホール、浜離宮朝日ホール、杉並公会堂、石川県立音楽堂他で上演しているシリーズ公演「バロック音楽と舞踏のスペクタクル—ヴェルサイユの祝祭 I〜V」では好評を博す。
都留音楽祭、新国立劇場バレエ研修所、全国の大学やピアノ指導者のための研修他において講座をもつ。主な著書に『栄華のバロックダンス—舞踏譜に舞曲のルーツを求めて—』、DVD『宮廷の華/バロックダンスへの招待I、II』がある(いずれも音楽之友社から刊行)。平成12年度文化庁派遣芸術家在外研修員として渡米。現在、桐朋学園大学、桐朋芸術短期大学、国立音楽大学他講師。東京バロックダンス研究会主宰。(http://www.baroquedance.jp)